離婚で”有利な条件”を勝ち取りたいのなら、
これは必読です。
夫婦が離婚することを決めても、親権で話がつかない場合は協議離婚に至らず、離婚調停に臨むことになります。
親権の話し合いでは、子供の年齢や構成家族の状況によって違いもありますが、一般的には次のような事を聴かれるでしょう。
@子供はどちらかが引き取って、監護しているのか。
調停に臨む段階では、既に別居している事が殆どと考えられるので、子供と一緒に住む親(監護親)は、現状の生活と子供の様子を、調停委員と相手方に説明する必要があります。
子供が、親の見守りの中で、安全が保たれる住居(最低限、施錠出来て他人から侵入されない部屋であること)で家族と寝食を共に出来ていること、学齢期にある子供は問題行動(学校側から注意されるような)がなく平常通り通学出来ていること、幼い子であれば常に傍で見る者がいるか預けられる保育所があること、などが満たされていれば現状の監護親が親権者として認められるのに、一歩有利になるでしょう。
別居生活で子供の住む環境に大きな変化がありますが、現状で住居や食事の用意や学校の通学などに支障なく生活出来ていて、将来にも同じように生活が出来ると見通しが立っていることを説明出来れば、今後も監護出来るという事を証明している訳です。
あるケースで、相手方が心配で子供たちの様子を見ると、監護者が夜遅くまで仕事に出ていて、その間子供たちだけで過ごしており近くのコンビニで弁当を買っているのを何度も見かけ、そんな状態では監護親には絶対任せられないと主張して、調停が進まなくなった事がありました。
その事が調停で親権を取る上での決定的なマイナス点になったかと言えば、決してそうではないのですが、このように親権を望む相手方も必死で細かなマイナス要素を突きつけてくるので、監護者としては出来るだけ子供を中心に生活を整える事が大切です。
今までの学区内で住めない場合は、子供を転校させるのか、あるいは卒業などの区切りまでは送迎をどのように行なうなど、具体的に調停の話し合いの中で伝えられる事が望ましいでしょう。
話し合いの中では、相手側も親権を強く望むなら、具体的に子供とのどのような生活設計が出来るのかが問われるでしょう。
子供が今馴染んでいる環境を変えてまで引き取ろうとするには、今の監護親に任せては置けないという理由、例えば明らかな育児放棄や虐待などを証明しない限り現実的には難しいです。
調停までに子供を連れて出る、あるいは相手が子供を置いて出ると、監護している親が親権を取るのに有利になると言う事は否めません。
A別居してからの生活費はどうしているのか、又離婚後の生活費はどうするのか。
別居していても、世帯主である夫は家族の扶養の義務がありますから生活費を渡さなければなりません。
しかし、子供を連れて監護親が家を出ていると、相手側から月々決まった生活費を渡されてない場合もあり、調停中に生活費(婚姻費用と言います)を要求することが出来ます。
離婚後の生活費については、監護しない親からの養育費、児童扶養手当などの社会助成制度の利用、財産分与の見通しを立てて、親権者自身も自立しなければなりませんが、婚姻中ずっと専業主婦だった妻や子供が小さくてすぐに働けない場合には、「扶養的財産分与」という名目で生活費を何年間(ケースにより様々)か、受け取れることもあります。
しかし、夫に経済的余裕が無ければ難しいので、婚姻中に生活費から貯金するなど早くから準備しておきましょう。
離婚後の生活設計も出来るだけ考えておくのが望ましく、子育てと両立する仕事を始めたり準備を進めておくと尚良いでしょう。
B子供の健康状態について、身体的にも心理的にも変わった様子は見られないか。
子供が生活の変化に不安を感じて、身体的に異常が出たり(例えば度々の腹痛やチックなど)、学校や放課後に友達と遊ばなくなったとか言葉少なくなるなど元気が無くなったりしても、監護親がその事に気付いて学校と密に連絡を取ったり、子供と過ごす時間を作るなどの対処が出来ているかが問われるところです。
子供の食事の用意が毎日出来ていて、食事量が減っていないか、偏食が増えてないか、体調の変化はないかなど日常の子供の健康管理が出来ているかも、監護親としては大切な事でしょう。
又、監護親が仕事に出ている場合には、子供の病気や事故などの緊急時の対応まで具体的に決めておく事も、調停委員への説明として大切です。
C学齢期の子供の場合、問題なく学校生活が送れているか、今の環境で勉強を落ちついて出来ているか。
学校の宿題がきちんと出来ているか、忘れ物が増えていないか、友達関係に大きな変化がないかなど、学校生活に変化が無いかチェックしたり、学校行事などを常に把握出来ているかは、子供を見守る上でも監護親には大切な事です。
又、子供に問題が起こった時の対応など、学校と密に連絡を取れる態勢がある事が望まれるでしょう。
D監護する親が仕事に出ている場合、親が帰宅するまで子供はどう過ごしているのか。
子供の年齢にもよりますが、夕食時を過ぎても家に子供達だけだったり、一人だけで過ごしている時間があれば、サポートしてくれる施設や手伝ってくれる人の態勢があるかが問われるでしょう。
E子供に離婚の事は伝えているのか、子供の反応はどうか。
子供が意志を伝えられる年齢で、離婚の事を理解していれば、子供がどのような事を監護親に伝えているかを、問われる事もあります。
このように、調停では、夫婦のどちらかが子供を監護している状況を伝えながら、この先も責任を持って監護する用意のある事を相手に理解させるように調停委員を介して話します。
それに対して、監護していない方の親は、相手の言い分を打ち消すような話をしたり、自分の方が子供に取ってより良い環境を用意出来ることを主張することもあるでしょう。
しかし、調停に入るまでの話し合いの中で感情的になったり意地を張っている夫婦が、第三者が調整に入る事で、監護するのがどちらが良いのかを現実的な面で納得せざるを得なくなることも多いのです。
調停では、お互いの主張を調停委員や裁判官が聴き取りながら、まずは双方の感情的な気持ちを落ち着けてもらい、子供の現状を理解してもらいながら、どちらの親が監護した方が子供に取っては良い環境なのかを考えさせます。
子供の心にも配慮しながら、子供が見守られていると感じながら安心して生活するには、どちらの親と暮らした方がより良いのか、また親権者でない親もこの先どのように子供に関われるのかを、夫も妻も調停を通して冷静になって話し合わなければならないでしょう。
調停では、どちらの親と暮らすのが、子供の養育や教育により適した環境かということを、裁判官、調停委員、調査官の調整のもとに夫と妻が話し合い親権者を決める事になります。
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